治験は有償のボランティア

治験と言えば、よく「高額バイト」の代表例としてマスメディアなどに取り上げられているのを目にしますが、このようなとらえ方には若干の誤解があります。というのも、参加者が行うのは労働ではなく、一種のボランティアだからです。治験は臨床試験の一種で、製薬会社が新薬を開発する際に、その最終段階において実施されます。ここで集められたデータは、医療機関などで処方される正規の医薬品として国の承認を受けるために必要な、参考資料として使用されます。

被験者は、製薬会社またはその委託を受けた試験機関がホームページや新聞広告などを通じて募集します。募集に際しては、その薬品の性質などに応じて年齢や性別、体重、持病の有無などが指定されます。その条件に合致するとして応募してきた人たちの中から、面接や健康診断などを経て、本人の意思を最終確認したうえで被験者が決定されます。実施方法はいろいろですが、最も一般的なのは病院などに被験者を集め、入院生活を送ってもらいながら薬を投与し、健康状態の変化をモニターするというものです。

薬の種類は内服薬や外用薬、注射などさまざまです。全員に薬が与えられる場合もありますが、何人かには本人には伝えずに偽薬(プラセボ)を与え、変化の有無を比較対照することもあります。治験が終了し、データが記録されると、被験者には報酬が支払われます。副作用のリスクも皆無ではないことから金額は一般に高額で、1週間の入院で数万円に達することもあります。